寄付者の意思
財源が指定正味財産である資産は、基本財産または特定資産として資産計上されます。それらの資産は、預金・有価証券・不動産等で構成され、様々な運用益が発生しますが、その際にはどのような会計処理を考えればよいのでしょうか?
この処理を考えるうえで、最初に確認すべきポイントは寄付者の意思です。運用益の使途や管理方法について事前に明確にしておかなければなりません。
運用益は法人の裁量で自由にしてよいのか?それとも寄付者が指定した事業等に使用するのか?または、運用益を元本に組み入れて更に運用するなど、事前の取り決めをもとに処理を進めていかなければなりません。
運用益を元本に組み入れる
例えば基本財産から発生した利息を元本に組み込む場合は下記↓のような仕訳が考えられます
基本財産(指定正味財産) 100 / 基本財産運用益(指定正味財産増減の部) 100
しかしながら以前にもご説明した通り、収支計算書(収支)へ資金収支の増減を反映させるために、資金諸口という勘定科目を間に挟み、下記↓の仕訳を2行で起こします。
資金諸口 100 / 基本財産運用益(指定正味財産増減の部) 100
基本財産(指定正味財産) 100 / 資金諸口 100
上記仕訳↑を起こすことにより、下記↓のような収支仕訳をPCA公益法人会計は自動的に起こします。
資金 100 / 基本財産運用収入 100
基本財産取得支出 100 / 資金 100
運用益を一般正味財産として組み入れる
基本財産から発生した利息を一般正味財産として組み込み場合は下記↓のような仕訳が考えられます。
資金諸口 100 / 基本財産運用益(一般正味財産増減の部) 100
基本財産(指定正味財産) 100 / 資金諸口 100
普通預金(流動資産) 100 / 基本財産(指定正味財産) 100
上記↑仕訳によって、PCA公益法人会計が下記↓収支仕訳を自動的に起こします。
資金 100 / 基本財産運用収入 100
基本財産取得支出 100 / 資金 100
資金 100 / 基本財産取崩収入
もし仮に、基本財産を預けている定期預金口座の受取利息を、日常の運転資金を管理している普通預金口座などで直接受け取る場合は、以下↓の仕訳となります。
普通預金(流動資産) 100 / 基本財産運用益(一般正味財産増減の部) 100
上記↑仕訳によって、PCA公益法人会計が下記↓収支仕訳を自動的に起こします。
資金 100 / 基本財産運用収入 100